2016年御翼4月号その1

過去を自分の力で抹消しようとはしない ―シルベスター・スタローン

              

 映画「ロッキー」シリーズの脚本を書き、自ら主演したシルベスター・スタローンは、カトリックの信仰の家庭に生まれ育ったが、一九七六年、ロッキー第一作の大成功により、富と名声を得ると、その私生活が荒れてくる。二度の離婚も経験し、誘惑に遭い、道を誤った。特に家族よりも、キャリアと名声を優先させたことは、彼を満たすことはなく、スタローンは、やはりキリストの言われたことを指針として生きなければならないと悔い改め、キリストへの信仰を復興させていった。すると、彼は自分にとって最良の伴侶となった現在の妻と出会い、家族で教会に通うようになった。
 スタローンは無名時代、映画のオーディションに50回以上落ち、生活費のためにと、成人映画に出演したことがあった。ハリウッド・スターになってから、かつて出演した成人映画の権利を買い取らないか、という話があった。しかし、スタローンは、人はキリストによって新しくされるのだから、自分の力で記録を抹消しようとする必要などないと言って、権利は買い取っていないという。
 「どんな過去があろうとも、大丈夫です。神に心を向ければ、生まれ変わることができます」と、スタローンは言う。更に、「教会なしの人生は、まるで舵のない船のようである。自分一人でできると思ったら大間違いである。たとえば、体を鍛えたいならば、トレーニングジムに行って、専門家からの訓練を受ける必要がある。自分で自分を鍛えることはできない。信仰に関しても同じことが言える。教会は魂のトレーニングジムであり、神父、牧師、伝道者たちは、トレーナーであり、苦難の時に導いてくれて、自分では到達できないと思っていたところへ、行けるようにしてくれる。多くの人が、神と一対一の関係を持っているから大丈夫だと言い張るが、それは教会に行くことを億劫(おっくう)がっているだけであろう」とスタローンは教会生活の大切さを語る。
 「教会に行けば行くほど、イエス様への信仰は強められ、御言葉にお委ねすることでプレッシャーから解放される」と彼は証しする。

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